サイズ690×290×8 荒木渡し 完全乾燥材数奇な運命を歩んできた、とある欅のストーリー。この欅の出身は北陸某所、詳しくはお話できかねますが、北日本に名前が轟く由緒ある「名木」でした。時はバブル全盛の御時世。銘木業界に名を馳せた丸太ブローカー、沢山の杣人、空師が関わって、合法的かつ見事に伐採された丸太は、とある土場に降ろされました。丸太は末口で軽々3メーターほど、幹まわりには膨大な瘤、場を圧倒する雰囲気の巨木でした。競りは当然白熱が予想されましたので、土場の競り子は競りにかけるべきと強硬に主張しましたが、結局は老獪な銘木屋達の謀権術数入り乱れ、入札での競売となりました。バブル期とはいえ、極上の玉杢が限りなく高確率で見えているとはいえ、欅はまさにギャンブル。吉と出るか凶と出るか、いよいよ挽いてみないとわかりません。1社ではとてもこの丸太を抱えられないと判断した先輩諸兄は、各自が出資して分割し、この丸太を買うことにしました。1口1000万。目に見える部分、12社で1億2000万。木挽の優先権やチャーター費、伐採代や木挽賃は別途。おそらくは目に見えない部分で3000万ほど動いたと思われます。丸太の原価は1億5000万ほど、まさにバブル。これを挽いたのは今では絶滅に近い木挽の名手。衆人環視の中、木挽線を割って見えたのは見事なまでの玉杢、如輪杢に泡杢。まさにバブル。1番玉は、芯に近いところまで玉杢、如輪杢、絵巻杢。最前列に取り巻いていた購入した銘木屋達の顔が、これから発生する利益を前に興奮から総員真っ赤になったと、今でも語り種になっています。こうして 名木 はカネへんがついて 銘木 となり、日本各地に散らばっていきました。この板は、その欅の名残りの8枚原盤のうちの1枚です。原盤の兄弟は、とある高名な旅館の正面玄関の衝立として、またとある企業の社長室の机の天板として、豪華絢爛な社寺建築の部材として、無駄にならないよう慎重かつ精密に木取りされ、使用されました。玉杢や如輪杢については文字数の制限から語ることができないのが残念ですが、まあ、目は口ほどに物を言うと申しますので、この杢目をご覧いただければ伝わるかと思います。お値引きの方はブラウザバックをお願い致します。#木知夢#きちむ#欅#玉杢
商品の情報
カテゴリー | ハンドメイド > 素材/材料 > その他 |
商品の状態 | 新品、未使用 |